― 筋肉を守るための栄養戦略と実践的ガイド ―
【1】UPSとは何か?
**UPS(ユビキチン・プロテアソーム系)**は、細胞内の不要なタンパク質を選択的に分解する、体内の“掃除機”のようなシステム。
筋肉では、筋タンパク質を分解する主経路として機能し、筋萎縮や加齢による筋力低下とも深く関係しています。
【2】UPSの基本メカニズム
UPSは以下の4段階でタンパク質を分解します。
ステップ | 内容 |
---|---|
①E1:ユビキチン活性化酵素 | ユビキチンを活性化 |
②E2:ユビキチン結合酵素 | ユビキチンを運搬 |
③E3:ユビキチンリガーゼ | 標的タンパク質を認識し、ユビキチンを付加 |
④26Sプロテアソーム | ポリユビキチン化されたタンパク質を分解 |

【3】筋萎縮とUPSの関係
筋萎縮時には以下のような変化が起こります:
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ユビキチン化タンパク質の増加
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プロテアソーム活性の上昇
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特定のE3ユビキチンリガーゼの発現増加
特に重要なE3リガーゼ:
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MuRF-1:ミオシンやトロポニンIを分解
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MAFbx(atrogin-1):筋分化因子MyoDを分解
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TRAF6:炎症を介して分解促進
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Cbl-b:IGF-1シグナルを阻害し筋合成を抑制
これらのリガーゼは、IGF-1 → Akt → FoxO経路の低下により、FoxO転写因子の活性化を通じて増加します。
【4】UPS抑制のための栄養摂取戦略
✅ 1. BCAA(特にロイシン)
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mTORC1を活性化し、筋合成を促進
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UPS活性を間接的に抑制
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推奨摂取量:2.5〜5g/回(運動後30分以内)
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✅ 2. HMB(β-ヒドロキシβ-メチル酪酸)
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MAFbxとMuRF-1を直接抑制
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筋合成と分解抑制の二重効果
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推奨摂取量:1g × 3回/日(計3g)
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✅ 3. グルタミン
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筋肉からのグルタミン流出を防ぎ、分解抑制
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UPSを間接的に抑える効果
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推奨摂取量:5g/回(トレ前後がおすすめ)
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✅ 4. 高品質タンパク質の摂取
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1.6~2.2g/kg/日が目安
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就寝前・運動後の摂取が特に重要
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動物性タンパク質(卵、肉、乳製品など)が効果的
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✅ 5. その他の重要栄養素
栄養素 | 役割 | 推奨量 |
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ビタミンD | 筋力維持、サルコペニア予防 | 1000~2000 IU/日 |
オメガ3脂肪酸(EPA+DHA) | 抗炎症、mTOR活性化 | 1~2g/日 |
クレアチン | 筋力・筋量維持、ATP再合成 | 3~5g/日 |
✅ 6. 抗酸化物質(UPSの間接抑制)
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テトラメチルピラジン:FoxO3a経路を抑制
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β-カロテン:酸化ストレスから筋肉を守る
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8-prenylnaringenin:E3リガーゼ活性を阻害
【5】実践的な摂取タイミング例
タイミング | 推奨摂取 |
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朝食時 | 高品質タンパク質、ビタミンD |
運動前 | BCAA(ロイシン中心)+ グルタミン |
運動後30分以内 | プロテイン、HMB、クレアチン |
就寝前 | カゼインプロテイン、グルタミン |
【6】高リスク者(高齢者・入院者)向けの対策
状況 | 栄養戦略 |
---|---|
高齢者・フレイル予防 | タンパク質:2.0〜2.2g/kg/日、EPA+DHA 2g/日、ビタミンD 2000IU |
疾患・入院時 | HMB:1g×3回、ロイシン強化食、早期リハビリとの併用 |
【まとめ】
UPSは筋分解のカギを握るシステムですが、栄養摂取の工夫で抑制可能です。
特に以下の栄養素が重要です:
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✅ ロイシン/BCAA
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✅ HMB
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✅ グルタミン
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✅ ビタミンD、EPA、クレアチンなど補助栄養素
筋肉を守るには、タイミングとバランスを意識した摂取が重要です。日々の食事やサプリメント戦略にぜひ取り入れていきましょう!
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