レジスタントスターチとは?
**レジスタントスターチ(Resistant Starch)**とは、小腸で消化されにくい「難消化性でんぷん」のこと。通常のデンプンは体内で分解・吸収されて血糖値を上げる原因となりますが、レジスタントスターチは小腸を通過して大腸に届き、腸内細菌のエサとなることで、食物繊維と同様の働きをします。
2018年以降、国際基準により食物繊維の一種として分類されており、特に腸内細菌によりよく発酵される「高発酵性食物繊維」とされています。
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レジスタントスターチの4つのタイプ
種類 | 特徴 | 含まれる食品例 |
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RS1 | 細胞壁が硬く酵素が届きにくい | 全粒穀物、精製度の低い豆類 |
RS2 | 結晶構造が強く分解されにくい | グリーンバナナ、生じゃがいも |
RS3 | 加熱→冷却で再結晶化(老化でんぷん) | 冷ご飯、冷やしたじゃがいも・パスタ |
RS4 | 加工により酵素に抵抗性を持つ | 一部の加工食品など |

GI値とレジスタントスターチの関係
GI値(グリセミックインデックス)は、食後の血糖値の上昇度を示す指標です。レジスタントスターチは消化吸収が遅いため、血糖値の上昇が穏やかになり、GI値を低下させる効果があります。
例:
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白米を冷やす → レジスタントスターチ増加 → GI値約30%低下
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冷やした白米は、玄米に近いGI値に
レジスタントスターチのメリット
1. 血糖値の上昇を抑える
小腸で吸収されにくく、血糖値の急上昇を防止。糖尿病予防にも。
2. 腸内環境を整える
善玉菌のエサとなり、短鎖脂肪酸(特に酪酸)の産生を促進。
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悪玉菌の抑制
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腸のバリア機能・免疫力向上
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排便の促進
3. コレステロール・中性脂肪の低下
胆汁酸の吸収を抑制し、血中脂質の改善に。
4. 食欲のコントロール
発酵によって満腹感が持続 → 過食予防に。
レジスタントスターチが多い食品
食品 | 特徴 |
---|---|
冷ご飯 | 炊いたご飯を冷やすとRS3が増加 |
冷パスタ・冷そば | 茹でた後に冷やして食べる |
グリーンバナナ | 熟していない状態が◎ |
押し麦・もち麦 | 食物繊維も豊富 |
冷やしたじゃがいも | ポテトサラダなどに最適 |
グリンピース・あずき(ゆで) | 約1.1g/100g含有 |
チアシード | 水で膨らませて摂取 |
大豆、落花生などの豆類 | RS1タイプが豊富 |
GI値を下げる方法
1. 調理法の工夫でレジスタントスターチを増やす
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炭水化物を冷やして食べる(米・パスタ・いも類)
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蒸す調理法が最も効果的(茹でる<蒸す)
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オリーブオイルを使用:冷却後のレジスタントスターチ増加を助ける
2. 食べる順番を工夫する
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野菜→たんぱく質→炭水化物の順に食べる
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酢の物と組み合わせる:酢は血糖値の上昇を抑える
3. 食材の選択を工夫する
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玄米、全粒粉、豆類など低GI食品を選ぶ
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食物繊維の多い野菜(オクラ、ブロッコリー、モロヘイヤなど)を取り入れる
レジスタントスターチ摂取の注意点
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摂りすぎに注意:一度に大量摂取すると、腹部膨満感や下痢の原因に
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バランスの取れた食事が基本:単体栄養素だけに偏らない
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再加熱は問題なし:一度形成されたレジスタントスターチは、温め直してもほとんど減少しない
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1日あたりの目安量:約20g(男女共通)
実践のポイント
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冷凍ご飯を活用:炊いたご飯を冷凍→再加熱でOK(カレーやお茶漬けも可)
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主食の置き換え:白米→雑穀米・冷ご飯、通常パスタ→冷製パスタ
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栄養バランスを重視:主食+野菜+たんぱく質を組み合わせる
まとめ
レジスタントスターチは、血糖値のコントロール、腸内環境の改善、脂質代謝のサポートなど、さまざまな健康効果が期待できる栄養素です。
日々の食事にうまく取り入れながら、無理なくGI値をコントロールしていきましょう。
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